ALGSハッキング事件の全容まとめ
本日、大規模なハッキングが世界大会の予選であるALGSプロリーグの試合中に発生し、コミュニティを混乱させました。
ALGS NAプロリーグ リージョンファイナルの最中に複数のALGSプレイヤーが意に反してチートを使わされるという事件が発生。
リージョンファイナルでは、5月に行われるALGSのスプリット1プレーオフにNA地域を代表して出場する12チームを決定することを目的としていましたが、ハッキングによるセキュリティの問題が発生したため延期されました。
海外メディアのdexerto.comが本件について有力チームの2人のプレイヤーがライブ配信中にハックされた経緯、ハッキングを実行したハッカーの詳細、そしてNAプロリーグの今後について判明している情報を公開しており、その内容を一部訂正、補足し下記にまとめました。
ALGSでハッキングの被害を受けたプレイヤー
Darkzero ジェンバーテン選手
ハッキングされたALGSのプレイヤーは、TSMの ImperialHal選手とDarkZeroのGenburten選手。
ジェンバーテン選手は複数の世界大会での優勝経験を持つDarkZeroの一員です。
最初にハックされたのはジェンバーテンで、第3試合の途中でハッキングの影響で突然「壁を透視するウォールハックチート」を付与されました。
ジェンバーテンの画面には「TSM HALAL HOOK」と呼ばれるUIインターフェースが表示され、オートエイムのチートが与えられたことが表示されます。
DarkZeroのIGL(インゲームリーダー、指示役)であるZer0選手がジェンバーテン選手にまだプレイできるか尋ねると、ジェンバーテン選手はゲームを制御できないとして手を挙げ、他のプレイヤーが戦っている間にサーバーから退出しました。
その後DarkZeroは2名のまま第3試合を戦い抜き、Zer0選手の的確な指示の元2位の座を手にしています。
第4試合についてはジェンバーテン選手と控えであるgent選手が交代し、プレイの続行を余儀なくされました。
Genburten選手がハッキングされた時の様子
Apex Pro @Genburten just got hacked mid game in NA Regional Finals and was given every cheat known to man…
Competitive integrity is chalked forever.pic.twitter.com/MuBI30Bm7o
— JMeyels (@jmeyels) March 18, 2024
2名のまま第3試合を戦い抜いたDarkzero
Huge plays from @sSikezz grab us 2nd in game 3 and put the squad 2 points away from Match Point! #GoingDark pic.twitter.com/z3OlPf0mT9
— DarkZero (@DarkZeroGG) March 18, 2024
TSM インペリアルハル選手
第4試合で次にハッキングを受けたのはインペリアルハル選手でした。
インペリアルハル選手はTSMに所属。CEOと呼ばれエーペックス・レジェンズの顔とも言える存在でもあります。
TSMが戦闘を始めようとしているとき、インペリアルハル選手は自分がオートエイムのチートを付与されていることに気づきました。
インペリアルハル選手はチームメイトからサーバーから退出するように言われるも、プレイヤーを撃たない代わりにゲームを続行する選択をしましたが、ロビーは管理者によってシャットダウンされました。
また、インペリアルハル選手とチームメイトのVerhulst選手はその後ランクマッチのキューに入ろうとした後、アカウントにBAN措置が下されました。
ImperialHal選手がハッキングされた時の様子
Another Apex Legends pro player, @ImperialHal, was also hacked during the ALGS finals match pic.twitter.com/pn2TPbIIVd
— Apex Legends News (@alphaINTEL) March 18, 2024
APEXをアンインストールすべきか?
ハッキングの後、プロプレイヤーや一般プレイヤーがハッキングから安全を守れるかどうかについての議論がされています。
ハッカーのDestroyer2009がゲームにどのように侵入したかについても議論の対象になっており、
TwitterユーザーのAnti-cheat Police Departmenは本事件のハッカーであるDestroyer2009と行ったメッセージのやりとりを投稿。
Destroyer2009はRCEエクスプロイトを使用していると主張していることが判明しました。
これはEasy Anti-Cheatと呼ばれる、APEXからフォートナイトまで多くのゲームで使用されているアンチチートソフトウェアへの侵入とされています。
APEXをアンインストールすべきかどうかについては、現時点では不明ですが同じサーバーでプレイしていたプロプレイヤーには、APEXを再インストールし、アンチウイルスを実行するか、クリーンなOSを再インストールすることをお勧めすると言及されています。
一般プレイヤーにとっては、現時点では本ハッキングがどれほどの影響を及ぼすかは不明ですが、Respawnがこの問題を修正する計画を発表するまで、APEXのプレイを避けるのが最善かもしれません。
ハッカー「Destroyer2009」とは?
ジェンバーテン選手がハックされたとき、彼のアカウントはロビーに対し「Apex hacking global series by Destroyer2009 & R4ndom」(エーペックス・ハッキング・グローバル・シリーズ by Destroyer2009 & R4ndom)とチャットを送りました。
R4ndomが誰であるかは不明ですが、Destroyer2009はAPEXにおいて悪名高いハッカーの一人です。
Destroyer2009は先月、ランクマッチをプレイ中のインペリアルハル選手、HisWattson選手、そしてMande選手に対し、ボットの軍団で襲撃したことでも注目を集めました。
Destroyer2009がハッキングを行う理由は不明ですが、ランクマッチを荒らすことからALGSの試合を台無しにすることへとステップアップしたようです。
ボットの軍団による襲撃を受けるインペリアルハル選手
1v30 plus aimbotter Ranked 🙂 pic.twitter.com/lZk27quRg2
— TSM ImperialHal (@ImperialHal) February 8, 2024
ALGSプロリーグNAのリージョンファイナルはいつ再開されるか?
ALGSの管理者がサーバーをシャットダウンした約15分後、公式Twitterアカウントとライブ放送において、リージョンファイナルが延期されることが発表されました。
「このシリーズの競技の公正性が損なわれたため、この時点でNAファイナルを延期することを決定しました。詳細は後ほどお知らせします。」と発表されましたが、
試合がいつ再開されるかについては現段階では発表されておらず、リージョンファイナルとその後の世界大会などに関する変更も発表されていません。
プロ選手たちの反応
FURIA HisWattson選手
もしデストロイヤーが自分だと言わずにチートを付与し始めたら、どれほどひどいことになっていたか想像してみてください。
それはどんなタイムラインになっていたことでしょう。
Imagine how bad this would've been if Destroyer just started handing out cheats without saying it was him. What a timeline that would've been. https://t.co/8ZsOex31Gu
— FURIA HisWattson (@HisWattson) March 18, 2024
teq氏
このリモートハッカーの件は、私にとって大きな懸念を引き起こします。
リモートハッカーがあるチームのファンで、そのチームのPCをハックして10%の追加エイムアシストを与えるシナリオを想像してみてください。
目立たないが明らかに大きな利点を与えるものです。
誰も気づかず、プレイヤーでさえも知らない状態で…。
this remote hacker thing raises a huge concern for me
imagine a scenario where a remote hacker is a fan of X team. He hacks their PC & gives them an additional 10% aim assist. Something unnoticeable but obviously gives a big advantage. No one would know, not even the players…
— teq (@TeqINTL) March 18, 2024